LOVEFATE~理由~

「その友達の所にずっと居たの?

英梨も夕べ帰って来るの遅かったよね?」



「う、うん…」




疑われているわけじゃないのに、

そうやって蘭子ちゃんに質問される度に、
なんだか動揺してしまう




「あ!!私、英梨にケーキ買って来たの!
待ってて」


蘭子ちゃんはそう言って、
私の部屋から慌てたように出て行った




「蘭子、大丈夫かな?」



「え?」



俊ちゃんは閉まったドアを見ながら、

そうポツリと溢した




「兄貴、昔からけっこう女関係派手で。
彼女居ても、平気で浮気とかもしてたみたいだし。

蘭子と付き合ったからって、
それが治まるかどうか」



先ほど、俊ちゃんは蘭子ちゃんの手前、

夕べの亮ちゃんの不可解な行動を怪しんではいないような事を言っていたけど


本音は、疑っていたんだ




勘が鈍いわけでも、

女心が分からないわけでも無かったんだ




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