色の雫 - The seven colors -
「そうだ、どうせなら一緒に帰らない?」 
 
「あっ、ごめん、今日は無理だよ。ちょっとあの例のスーパーに行ってみたいからさ」
 
「えっ!?そんな、止めときなさいよ!」
 
「それは亮からも言われた」
 
「じゃあ尚更だよ!!でも……どうせ行くんでしょ?昔から雄也はそうだからね」
 
ありさは溜め息まじりで言った。

「でもなんで行ってみたいだなんて……?」
 
「なんかさ、最近、学校がつまらないんだよね。いや、学校だけじゃなくて、この日常がさ……だから、なんか刺激のあるような事がないかなって思っていたら、ちょうどよくスーパーの事件があって……それで、な」
 
「……雄也がわざわざ事件現場に行きたい理由は何となく分かったけど……雄也1人じゃ心配だから私もついてく!!」
 
「……え!?」
 
次に驚いたのは雄也だった。
 
「い、いいよ。別についてこなくても。」
 
「だって心配だもん……ねぇ、いいでしょ?お願いっ!」
 
「うーん……仕方ないかぁ……でも何かあっても知らないからなっ!?」

「それは雄也もでしょう?……さぁ、行くと決まったら早く行きましょ!もう日が暮れちゃうよ?」

 ありさはそう言うと例のスーパーに向かって走り始めた。

「……あいつ、買い物の途中じゃないのか?」
 
そんな考えは瞬く間に払拭、雄也はありさを追いかけた。
 

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