僕らの恋に永遠の名を。

嘘ですが


朝。

「ん」
「えと?」

柊ちゃんが柚里先輩のなかにいることがわかってから
数日。
あ、なぜか先輩に、

「二階堂って呼ばれんの堅苦しいから、下の名前で呼べ」って言われて、下の名前で呼ぶことに…。

なんとなく、恐れ多いんだけど。

そして、変わったことはまだまだある。

「今日はあんパンだ」

「ごめんなさい、あんこ食べれないです」

「んなこときいてねーぞ!」

たぶん、今柊ちゃんと会話してるんだろうな。
そう、先輩は私と毎日登校する上に、パンまで買ってきてくれる。

きっと柊ちゃんが先輩に無理を言って聞いてくれてるんだ。
優しすぎる、先輩。

「しょーがねぇな」
ガサゴソ、と自分の鞄をあさりチョココロネを取り出した。

「これやるよ」
「あ、大丈夫です。実は今日食べてきました」

「なんなんだお前!」
「…」
先輩、面白すぎる。

俯いて、笑ってるのがバレないように歩いていたら、
突然手を掴まれた。

「っひゃ」

『おはよう、あず』

『おはよう、柊ちゃん』

こうやって、毎朝登校するのが最近の日課。
だけど。


これが、いつまで続くのか、不安。
まさか、柊ちゃんが一生柚里先輩の中にいるわけじゃないだろうし。

「先輩」

思いきって、聞いてみることにした。
「なんだ?」

「柊ちゃんといつまでいられますか?」
「…だいたい、3ヶ月が限度だ」
3ヶ月…。

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