僕らの恋に永遠の名を。

知ってるよ


キーンコーンカーンコーン…
四時間目終了の鐘がなる。

お昼だ…。
たった今まで受けていたのは、智兄の数学。
もう、何語喋ってるんだろうって感じ。

教科書を机にしまって、鞄からお弁当を探しているとき。

「葉月…梓って、アンタ?だよね?」

「へ…」

慌てて顔をあげると、茶色の髪を巻いている、見覚えのない女の子。

ふと、見ると教室の外…、つまり廊下にも見覚えのない人達がいた。

「私、ですけど…」
「ちょっと来てくれるかな」

ドンっっ
「アンタさぁ、ユズと付き合ってるってなに?」
来い、と言われて仕方なく付いていって連れてこられたのは、屋上。

壁に押し付けられ、5人ぐらいの先輩に囲まれている。
5人のうちのひとりは、愛先輩だった。

その愛先輩は、今私の襟を握りしめて引っ張っている。

ここにくる前から、なんとなく、言われる気がしてたけど…。
それにしても、愛先輩、怖すぎるよ…。

そろそろ首も苦しい。
「聞いてんの?」

「ぁ…っ」

首、締まっ…て、…。
痛い。
押し付けられる背中も、痛い。

私達、付き合ってなんかない。
何を言うにも、こんな状況じゃ、声も出せない。

「ぃ…った」
「は?聞こえないんですケド?」










< 23 / 39 >

この作品をシェア

pagetop