僕らの恋に永遠の名を。
「やべー、なにこの列ー」
「すごいですね…」
時刻は9時半を回ったところ。
僕らは、遊園地の入口にいた。
土曜だからなのか、家族連れが多い気がする。
そして開園までのこの行列。
…家族か。
親にも、兄ちゃんにも会ってないや。
あずに会えただけで、充分とか、薄情かなぁ、僕。
「梓、寒くないか?」
「大丈夫です」
肩震えてるじゃん、あずのばか。
あー、僕もカラダがあれば、なんか温かいものあげるのに。
よく考えたら、もう12月なんだなぁ。
あと数週間立てば、クリスマスだってやってくる。
あぁ、なんで僕は生きてないんだろう。
「梓、これ」
ユズリがあずに自分のしていたマフラーをかけた。
「え!先輩寒いからいいです!」
「お前が寒そうなの見てるのも寒いからな」
ほんと、ユズリは優しいやつだ。
あずのことも、任せられるかな…。
「そろそろ開くかなー…」
ぎゅっと、首もとのマフラーを握りながら呟くあず。
「そーだな」