0<X≦2人の王子様
その日の夜、菜花は
あまりよく眠れなかった。


生徒会長の
あの声が、言葉が、
耳から離れなくて。


それに、
あの涙―…………


(生徒会長は…
今も苦しんでるのかな…)



眠れないまま朝になり、
いつにも増して寝ぼけながら
通学路を歩く菜花。


一方その頃の真行寺蓮は、

幼なじみで
今も親友の
佐村壱哉(さむら・いちや)と
共に登校していた。

「なあ、壱哉」

「ん?」

「お前って何気にモテるよな」


「自分で言うのもアレだけど
たしかにモテるほうかな―

でも全然、蓮には及ばない。
お前が羨ましいよ」


「いや、オレの場合は
兄貴目当てで
女が寄ってくるだけだろ?

だから、なんというかその…
オレは女の扱い方とか
よく分かんね―んだけど…」


「別に、女子たち皆が皆
蓮のお兄さん目当て
ってわけじゃないと
思うけどな―」

(実際、蓮は
兄貴が芸能人になる前から
かなりモテてたしな…)

「いやそんなことよりも、
オレは今その…
女の扱い方で悩んでいて」
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