俺とアイツといとこ殿!
「ああ。よおく知ってるが。」

ルカは答える。

そりゃそうだ。俺も知ってる。うちの会社だもの。

「そりゃ話が早い。その神崎グループって大きな会社ってのはどうも
根幹というか尻尾がつかめないんだけど・・」

「ほう」

「その総帥とか統括と呼ばれるエラーイ人が東京から大阪の一族が集まる会合に出るってーので」

ガチオレらのことじゃんか。

「ほうー何か問題があるのか?」

「いやね。謎の総帥を見たいってのはあるんだけど。問題はそこじゃなくってさ。
どうも坂口組っていうヤクザがそれによって動くとのリークがあってね。
その会合ってのを襲撃するとの。」

なぬ??それが事件か。

「ふむ」ルカは考え始めた。

「お嬢さんには難しいお話かもしれないんだけど神咲グループの総帥が表に出てくることはないから
あいつらも中々見分けられないとは思うんだけどね。
どーも梅田って場所まで知ってるとなると
大きな流れがあったり大人数の予約でバレちゃうんじゃないかな?
しいていうと対応で誰が総帥なのかもバレちゃうっていうのも予測できるし?
それにだ。神咲の幹部の中に坂口組とつながってるって予測も立てれるわけで
大捕物になるかなんの会合なのか?密かに調べて来るようにって話なの。」

「なるほど。」

ルカは何を思ったのか分からないけど・・納得していた。

でもこいつ気づいてないのかな・・バカなのか??



「ちょっと難しい話してしまったね。ごめんねお嬢さん。」

ルカの頭を撫でようとする。

アイツは静止し、俺はもう一個隣にすぐさまルカを置いた。

「よい。」

「あらら?君ら。ただの子供じゃないねえその動き。」

バレたか・・。警察だもんな。

「いや・・・ただの子供だよおっさん。」

俺はバレバレな嘘を付いた。

あちゃーっという顔をあいつはしている。

「刑事は嘘も見破れるんだよ?やっぱり子供なのかなあ・・なーんか気になる。」

カンってやつか。侮れないな。普通の人間ってやつも。
その執念で事件を解決したりするわけだもんな。


「私が神崎グループ総帥の神咲流華である。」

わざわざバラさなくても・・・

「へぇ?そうでありましたか?失礼いたしました?」ニコニコとしている。

「おぬしはすでに分かって乗ってきたのであろ?」

「バレてましたか?護衛さんよりやっぱり上手だねえ・・」

そうなのか・・?いつ気づいたんだ?俺がバカなのか?

≪バカ!お前しゃべるな。気を付けてそいつ見ててよ。≫

むしった。


「着いてきたければ来れば良い。うちには隠すものなどないのだ。
ただ。私はお前と同じ列は好かん。」

確かにそうだけど。

「はいはい。では真ん前に座らせて頂くとしましょうか。」刑事はルカの向かいに座った。

俺はルカを膝に抱っこしなおした。

アイツは席を詰めてきた。

嫌だな?アイツと密着。ゴリゴリする。

「で?本題の質問です?」

「なんだ。」

「神咲の名に置いて答えてもらいましょうか。」

こいつ・・・

≪なにものだよ名においてって俺らくらいしか・・≫

アイツにテレパスする。

≪さあ。でも気を抜けないね。≫


「なんだ?聞くのを許す。」

「神崎グループと例の暴力団の関係性は?」

「ない。」即答する流華。

「そりゃそうだ。」あ。しまった。

「それは本当みたいですね?。認識としては。」

クスクスっと笑われてしまった。

心の声が出ただけなのに・・・

≪純ちゃん気にしなくていいよ≫

ルカはそう言ってくれる。今アイツの顔を見たくない・・。


「暴力団は襲ってこない。」

「ほーえらい自信だ。」

俺ら一族で結界張ってやる飲み会なのに確かにおそってこないよなあ・・

「ただ・・」

「ただ?」

「なにものかのリークが暴力団へ伝わり
平民愚民合わせて警察内部部に漏れているのも事実。」

「聡明ですね。」

刑事はマジな顔をした。

無精髭と髪の毛ちゃんとすれば結構カッコイイおっさんなんじゃないか?

「だから付いてきてもよい。と言っている。
我々に隠すことはないし来度の集まりは会合という大それたものではない。」

「なんなのです。」

「慰安飲み会である。」

「あははははご冗談を。」

まっさかーって顔で刑事は笑った。腹を抱えて。

「神咲の名において冗談を言うはずもない。」

流華は微塵にも表情を変えずに答える。

「なるほど。して慰安飲み会とは神咲では何をなされるのです?」

信じたようだ。

「酒を飲むのだ。酒を飲み交わす。そして話をするのだ。」

煙草をもう一度とってアイツがライターを付ける。

今度は取り上げられなかった。取り上げたのは演技だったってことか・・。

煙を吐きながらルカは無表情で「赤ワインを。」と言ったら

アイツは車内の冷蔵庫から少し悩みながら「はい」と渡した。

「瞬ちゃん。いい選び方になった。」とアイツを褒めた。

ちぇ俺ワインのことわかんねえ。アイツはドヤ顔だけど!!

「堂々と刑事の前で法律破り続けられても・・」

「私は日本国籍ではない。故に日本の法律など関係無い。」

そうなんだ。俺たちは・・日本国籍ではないんだ。東京に住んでるけど。

「なるほど。では失礼致しました。どうぞご自由に。」

「おっさん。ルカは悪いことはしねえし、言ってることも本当だ。ただの飲み会だって。」

「さっき聞いたよ?そのお嬢さんの言う話は信じる。表情から読み取ることはできないけど。さすがです」

俺は一回嘘ついたもんなあ。確かに流華は嘘を付いてもわからないように出来る。

みたいだけどあえてつかないだろう。めんどくさいに決まってる。

「飲み会の流れってありますか?何時間くらいですかね?」

「流れ・・は特に決まっていない。子供から大人まで親戚が来る。なにか言いたいことがあれば言いに来る。
時間はわからない。大多数が飲み潰れたら終わる。」

「これはまた変わった飲み会で。ではなぜ神咲グループの飲み会に年寄りから
子供までくるのでしょうか。
社員はほとんど参加しないようですが。」

今回の神咲グループ慰安会ってのはうちのなかでは島のほうの話で
幹部に名を連ねている島の役人もいるんだけど
その家族と言うか、まあ会社の人間以外で誰でも
出席可能な島の飲み会って言ったほうが早い。

会社のほうの話は東京の本社でやるんだよな。

「お前に同席を許す。会場をうろうろされてはかなわん。」

≪ルカ・・さすがにそれはまずくない?≫

アイツが言ってくる。俺もそう思う。

親戚はいい顔をしないだろう。混じることを嫌がるからだ。

俺やアイツの親だとかもくるだろうけど。

≪純ちゃん瞬ちゃん。コイツはダメだと言うと無理矢理に入ってくるタイプだ。≫

≪そうかもしれないけどよ?≫

≪暴力団の話は小耳に挟んでいる。寄り合いでは聞くつもりだった。
うちのルールで裁く。それは変わりない。それに・・≫

≪それに?なに?≫

今日はアイツも食い下がる。

≪強力なバリアや結界で誰も入ってくることはできないが・・
誰も入ってくることはできないのに
こいつは入ろうとするとうちのものともめることになる。
暴力団より警察の首をとったほうが問題になる。≫

≪なるほどね。それならいれてしまえと。≫

≪その旨伝えてはおくが・・納得せぬと思うので襲撃されてもなんだから
梅田の至るところで大人数予約を取っている。≫

≪それなら当日まではどこに来るかはわからないよな!さすが?≫

≪だがうちの宴会は長時間。何れバレる。
その時が来るまでにうちと繋がりがあるものがいるのかいないのかわかるだろう。≫

≪どういうこと?≫

≪馬鹿だね。だからさ。会場を変えたりすれば内通者が連絡を取る。
そして確実にいるってことだろうが。
あとは時間とか誰が席を立つか見張ってれば絞れるわけだ。≫

≪そうゆうこと。その炙り出しで出てこぬようであったら皆に私が直接聞こうと思う。≫

≪そりゃ嘘つけねえな≫

≪だね。≫

「どしたの?黙っちゃって。」

「お前に私から尋ねる。」

「どうぞ。極秘情報以外でなければお答えしますよ」

「うちは特殊な家系ゆえ血の気が多い。
暴力団より厄介な連中であることは知っておるな?」

「ええ。存じております。」

しってんのかよ!!

「混じることを嫌うのだ。ウエイターも料理を作る人間もうちのものが行う。
その辺は一般庶民の飲み会とは違う。」

「ほほう?確かに。」

「許すとは言ったが目立つところにおられては慰問にはならぬ。
羽を伸ばして飲むこともできぬのだ。」

「確かに趣旨がかわりますねえ・・護衛することも任務のひとつなんだけどなあ・・」

「護衛ならお前の前におる。」

「この少年達ですか。」

「正式な上層部の幹部である。」

「へえそれば知らなかったな。」

「私には名前をかけて話せというのにぬしは警察の名に恥じぬようもう嘘を付くな。」

ええ?俺らのことも知ってるのかよ・・

「手強いお姫さまだ。すみません知ってました♪もう嘘はつきませんよ
確かにフェアじゃない。」

最後は真面目な顔で話をするようになる斎藤とかいうおっさん。

「総帥の名は伊達じゃないねえ?情報通だ。」
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