コイツ、俺の嫁候補。
嬉しくて、幸せで、急激に心臓が暴れだす。

あたし達、本当に両想いなんだ……!!



「縁はどうなの? 何で俺から逃げてたわけ?」



一人舞い上がるあたしに、那央は冷静に問い質す。

そ、そうだ……あたしも返事しなきゃいけないよね。

今こそ素直になれ、縁!



「あの、あたし、こんな気持ちになったの初めてで……どうしたらいいかわからなかったの。那央に会うだけで、嬉しいのにすごく緊張して……」



あぁ、なんだか泣きそう。

でも、伝えたい。この溢れそうな想いを。



「あたしも……相当、那央のことが好きみたい」



──揺れる視界に、安堵したようにほころぶ那央の顔が映った。


想いが通じ合った瞬間、奇跡って本当にあるんだ、と思った。

それがこんなに幸せなものなんて、初めて知ったよ──。


その時、窓の向こうから一筋の光が夜空に駆け登り、大きな音を轟かせて花開いた。



「わ……花火!」



あたしの視線は、綺麗な光の粒にくぎ付けになる。

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