コイツ、俺の嫁候補。
あたしのクラスには幸い先生は来ていなくて、ギリギリセーフだった。

二時間目は体育。授業が終わった後、舞花がジャージを入れた袋を持ってあたしの机にやってきた。



「おはよ縁。今日遅かったじゃん」

「寝坊した。しかも途中で変なヤツに会っちゃってさ」

「変なヤツ?」

「1組の片霧那央って男子。……って、名前言っても知らないか」



あたしもジャージを持って教室を出ようとすると、舞花が大きな目をパチクリさせて足を止める。



「片霧くん!? あの大家族の次男の!?」

「あれ、知ってるの? てか、あいつ次男なんだ」



てことは、まだ上に兄弟がいるのか。すごっ。

そしてそんな情報を持っていた舞花にもビックリ。



「よく知ってんねー」

「結構有名だよ~、下の子達の面倒をちゃんとみてるイケメンなイクメンだって! 縁がそういうのに興味なさすぎなの! どう、やっぱりカッコよかった!?」

「あー、まぁね」

「へぇ~縁が認めるってことは正真正銘のイケメンなんだぁ♪」

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