コイツ、俺の嫁候補。
あたしは自分のバッグを漁って同じプリントを取り出す。

そして、答え合わせもすべて終わったそれを、“見るがいい!”と言わんばかりにバン!とテーブルに叩き付けた。

目を丸くする陸と海。



「これでどーよ」

「……フン、俺達がこんなんでつられるわけ」

「じゃあ見せてやんない」

「そこへ座ってください牧野様」



頭を下げるプライド皆無な二人に、あたしはニヤリとほくそ笑んだ。



 *


「……ねえ、もう一回話して」

「おい、これで何度目だよ! 何回話したって、“樋田が無自覚の女タラシだ”って事実は変わんねーの!」



心底うざったそうな顔をする陸達だけど、あたしはいまだにぽかんとしたままだ。

だって……、樋田先輩がそんなに女子と遊んでる人だったなんて!!



「信じられない……信じたくない!」

「信じる信じないは勝手だけど、これは本当らしいぜ。ついこの間まで付き合ってた女が色々言い始めたら、次々と名乗り出てきたんだと。
『飽きたってすぐにフラれた』だとか、『カラダ目当てだった』とか」

「うそぉ……」

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