桜が咲く頃~初戀~
太一郎おじさんの軽トラはおばぁちゃんの家の庭に着いた。

香奈は荷台から降りると彩未を背中から抱き抱えて降ろした彩未は必死にケーキの箱を抱き抱えているからだ。

太一郎おじさんは荷物を下ろすと帰って行った。何故かおばぁちゃんの家の電気は灯いていて庭にある五右衛門風呂の煙突からも煙が上がっておりパチパチと薪が燃えて弾ける音もいい香りもしていた。

その風景に香奈はホット一息着いた時土間の勝手口が開いて常ちゃんが顔を斜めにしてコチラを見た。


『あぁ。常ちゃんに遅うなるからって頼んどいたんや』

そう言ってにんまりして見せた。バスを待っている時におばぁちゃんが電話をかけたのが常ちゃんだったのだ。

都会では今はあまりご近所付き合いが無いのでおばぁちゃんの家に来てから田舎のご近所付き合いが頼もしいとも香奈は思った。

『お帰り〜ご飯出来とるよ!すまんけど、家の父ちゃんとじいちゃんも一緒にさせてもろぅとるよ』


そう大きな声で常ちゃんが言うとおばぁちゃんはニコニコして『おおきに』と答えながら彩未と2人で土間の勝手口から家の中に入って行った。


香奈は持って帰って来た沢山の荷物を持って縁側から何時もの香奈の部屋入れてから居間の襖を開けた。

居間は京間の8畳であったが隣の客間の6畳の部屋の襖も外してテーブルを長く繋げて沢山のご馳走様を並べていた。香奈は久しぶりのこの光景に驚いてテーブル周りを見渡した。

テーブルには、おばぁちゃん、彩未、常ちゃんの旦那さんにおじいちゃん。そして、川嶋のお父さんに圭亮が座っていた。

これはおばぁちゃんに言われて常ちゃんが招集をかけたのだ。


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