桜が咲く頃~初戀~
お風呂から出ると3人は湯たんぽの入れられた温かいお布団に潜り込み川の字になった。

『なぁ。おばぁちゃん。お腹痛いんやろ?』

そう言いながら彩未は布団の中でおばぁちゃんのお腹を摩った。


『あっ、おばぁちゃん赤ちゃん居てるん?』

彩未が突然そう言ったのをおばぁちゃんは彩未を優しく見て

『そう思うんか?』

と言った。

『うん。だってな、お腹出てるやん』

その言葉に香奈は「ぷッ」と吹き出した。


『そうか。どっちがいいんや?女の子か?男の子か?』


おばぁちゃんが彩未の頭を撫でながらそう問いかけると彩未は少し考えてから


『弟!』と言った。

『そうか?バァもまだまだ頑張らんといかんね〜』

と普通に彩未に言ったのがオレンジ色の常夜灯だけの薄暗い部屋に響いて香奈は「あはは」と思わず笑ってしまった

その笑い声に彩未は不思議そうな顔をしてから欠伸をしたと思ったらすぐに眠りについてしまった。


『なぁ、香奈?香奈は圭君の事どう思うとるね?』


その静けさに囁く様におばぁちゃんは聞いて来た。香奈は一瞬何を言われたのか良く分からなかったがしばらくして言葉の意味に戸惑うと


『あっ。圭亮君の事?ちょっと今は分からん』


そう答えた香奈によいしょと寝返りを打って背中を向けるとおばぁちゃんは

『そうか』

と言って静かに寝息を立て始めた。香奈もその寝息につられていつの間にか眠りについたのだった。
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