桜が咲く頃~初戀~
そうしているうちに圭亮の父鉄郎が白い軽の自動車で2人を迎えに来た。今日のお祭りでは花火も打ち上げられる事もあり香奈は凄く楽しみにしてはいたが。今年は紀子も彩未も、一緒には居なかったので、香奈を1人では行かせられないとおばぁちゃんが圭亮を誘ったのが香奈には窮屈に感じていた。

幼い頃から何時も、おばぁちゃんの家に帰省すると圭亮は遊びに来ていたのだが。香奈はあまり圭亮とは話す事もなかったからだ。


圭亮は何時も香奈に優しく声をかけてはくれていたけれど。何を話せば良いのか?分からなかったのだ。


香奈は1人でいる事が1番気楽だと好きな読書をして何時も圭亮を見ない振りをしていたのが、今回だけはそうはいかなさそうで困ってしまった。

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