桜が咲く頃~初戀~
常ちゃんが持って来てくれた西瓜を黙って2人は黙々と食べながらこれから街の夏祭りに2人で行くのだと思うと胸がドクドクとして西瓜の味が分からなくなってしまっていた。

圭亮は何か言わないとと西瓜を食べ終わらせてからごくんて息を1回飲んで


『綺麗やね』

そう言った。


香奈はその声に横を見ると圭亮は顔色を変えずに遠くの山をじっと動かずに見ていた。その横顔には夕焼けの橙色に混じって藤色の太陽の日差しが重なり夏の日差しに黒く焼けた圭亮の肌を更に焦げた茶色にしている。


圭亮も、夕暮れ時の空と混じる香奈の浴衣と白い肌にほんのりと映る虹色を見た。





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