桜が咲く頃~初戀~
その時だった。胸の中に入れていたスマホが鳴った。


『圭、今どの辺にいとるんね?お母さん「たこ八」』の屋台の前にいるから来て』

と、百合子からだった。圭亮は香奈の肩を優しく叩くと高い背を低して香奈の耳元で電話の内容を話すと少し躊躇ったが。香奈がはぐれない様に右腕を掴むと百合子が待っているたこ焼き屋の屋台に向かった。

『香奈ちゃん、ごめんな?人多いから』


そう言うと香奈は『ええよ』とだけ言って圭亮の歩く速さに着いて歩いた。花火の打ち上がる音と人混みの歓声と自分の早歩きで歩く下駄の音に河川敷特有の湿っぽい生暖かい風に縛っていた髪から解けてしまった後れ毛に汗が引っ付き圭亮の背中から感じ体温が暑く感じて少し息が苦しくなった。

ドキドキしているのだ。

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