ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 十年以上も見えなかった光が、ぼくの視界にふたたび舞い降りる。

 夜空に散りばめられた無数の星たち。

 数時間前に久留美と見た星の妖精が、ぼくの身体に奇跡を起こした。その星空は、深い黒色の中にきらめくように光り輝いて、ぼくの視界の中に差し込んでいる。

(久留美が起こした奇跡?)

 その光り輝く星たちは、数時間前に激しくも壊れそうに抱いた久留美の温もりを、今も忘れさせてはくれない。


 半年という月日が経った今でも。


「どこかで光輝いているかなぁ」

 半年後の今、ぼくはポツリとつぶやいた。ぼくの身体は未だに完全ではないけれども、きっとふたたび奇跡は舞い降りるだろう。そして久留美の身体にも……。
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