ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
星と子猫
 その日オレンジ色した太陽が山の間に隠れる頃、三上からメールが入り、Movie・onに立ち寄る。
 三上はひとりの女と知り合えたみたいで、上機嫌。相変わらずの関西弁で自慢げに話す。

「その女、めっちゃエロくてさ、いきなりやでぇ、ホテル入ったら。オレのジーパンズリ下げて、ははは、いつもズッてるけどな(笑)そんでそのままパックンちょって、しよんねん! そく尺やで! どうや柏原さん! 参ったか(笑)」

 余りの勢いに退いたが、ぼくは三上に写真を見せてもらった。この前見た娘。こんな娘が三上の毒牙に掛かったとは……。

(どうして、三上にはそんな都合のいい女が当たるんだろう? 女の子は可哀相だけど、羨ましい……)

「そんで、どうやった? 柏原さんいってた娘は?」

 ? と思ったのだが、三上はどうやら久留美のことをいっているみたいだ。

「うん、駄目だったよ」

 結果が出た訳でもなく、メールが来ない訳でもなかったのだが、ぼくはそういっていた。

「そやしいうたやろ! あせって写メとか直メを要求したらアカンって!」

「うん、もういいんだよ。あの娘は」

 ぼくは、決意していた。もう久留美を口説かないでいようと。

「他の娘、捜すよ」

 そういって事務所のドアを開ける。

「三上さ~ん。早よせな約束の期日くんでぇ」

 ぼくは三上のことばに手を上げて、判ったとサインした。

< 58 / 103 >

この作品をシェア

pagetop