ストレイ・キャット☆シュ-ティング・スタ-
 ぼくは、その現実を飲み込もうと必死になった。


「そうだ、あの出来事は夢なんかじゃなくって現実。素敵な夜をありがとう!」

 悲しみに暮れることを止めて、ぼくは久留美に返信を送る。

『抱いてくれてサンキュ! 久留美っていう流れ星は、省吾っていう流れ星と確かに交差したよね★ 昨夜、ぼくが最後に送ったサヨナラメールから一転して夢のような時間をホントどうもありがとう! すごく可愛らしい中に何かを訴えていて、今にも壊れそうな久留美ちゃんのこと、ぼくは一生忘れないから。大きな瞳、いっぱい食べた口唇、きれいな髪に透き通るような白い素肌、そしてぼくをしっかりと包んでくれた久留美の身体の中、温かかった(笑)抱いてくれてサンキュ! 汚い部屋の中でゴメンね。もっとロマンティックな所の方が良かったよね。彼氏が居るっていっていたのになかば強引に☆ 痛くなかったかな? あのとき、あの瞬間、ぼくは久留美ちゃんに夢中でした。絶対忘れないから、ぼくのこと忘れないでいてね。身体のことがすごく心配です。早く彼氏と一緒になって本当に幸せになってね! 最初久留美ちゃんのことサイトで見つけたとき、「迷子の子猫」って思った。その子猫は流れ星に乗って一瞬に流れて消えるんだよね。流れ星は二度と見ることが出来ないんだよね……。生まれて初めて見た流れ星は、ぼくの想像以上にきれいで素敵でした。この先一生逢えなくても、こころはつながっているよね! 久留美ちゃんの幸せ遠くから祈ってます。では本当のお別れですね★ サヨナラ! バイバイ☆』

 メールを久留美に送信する。

 この先に何が有るかは分からないけれど、きっとこれが本当に最後のメールになるだろう。今、自分が送りつけた過去のメールを開いてみると、なぜだかおかしい。ぼくは笑みを浮かべながら久留美との日々を思い返す。


「純粋以外興味ゼロだよ。」
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