変わりゆく華たち 第一幕 散ル華
平助は顔を下げたまま前(上)を向かない。止まってるならまだしも、僕たちは今歩いている。
そのうち柱に頭ぶつけるよ?
そう注意しようとしたとき、平助はいきなり顔をバッと上げた。
「総司くん!!貴方は何ていうことしてるんですか!?」
ビックリしたな…。いきなり大きな声出さないでよ。
「女の子を絡んでた浪士を三人、怪しそうな男を一人をとり逃してるんですよ!!少しは焦ったらどうですか!!」
そんなこと言われても、もう事は過ぎちゃってるし……
「土方さんに絶対に怒られますよ。頑張ってお説教聞いてくださいね」
「えー、平助も一緒に同席しようよ」
僕一人で怒られろっていうの?
平助は薄情だな〜。
「嫌です!」
そう言うと平助は、
じゃあ俺は刀の手入れするから
と、いつの間にたどり着いていた土方さんの部屋の前で別れた。