変わりゆく華たち 第一幕 散ル華

見覚えのある方【霧島目線】





―――――――――――――――――



「ふぁーーあっ」



「日向。欠伸煩い。もう少し静かに出来ないの?」



俺の隣を歩いている、彰が俺の肩を叩きながら言った。



俺の名前は霧島日向〈きりしまひゅうが〉。

ほんの少し前、壬生浪士組に入隊した。


隣を一緒に歩いてるのは月詠彰〈つきよみあきら〉。

俺と同じ時に入隊した此処に入隊した。


彰とは餓鬼の頃からわけあって一緒だったから、言うまでもなく仲良くしている。




それにしてもなんで朝稽古開始がいつもより、半刻(一時間)も早いからいけないんだよ。



朝、一番組組長で俺の組長である沖田組長が俺たち一番組隊士が寝泊まりしている部屋に来ては、



『おーはーよーーー!!
朝でっすよー!さぁ、さっさと着替えて道場に来てくださいね!今日はいつもより早く稽古を始めます!!』


と、襖を遠慮なく開けては大声でこう言った。


その上、


『遅かったら、素振り二百回追加だからね☆』


と、笑顔で言いながらその場を去っていった。




それから急いで道着に着替えて今に至る。



「いいよなー、お前のところの組長は。あんな起こし方はしないだろ。


あ、いや、別に不満があるっていうわけではないけどさ…」



彰のところの組長は斎藤組長。

つまり三番組に所属している。



「いや、そうでもないよ。俺らのところは…」



「どんな起こしされたっけ?」そうブツブツ言いながら、ふと思い出したように教えてくれた。


ったく、
ほんの少し前のことぐらい覚えておけよな。



< 71 / 108 >

この作品をシェア

pagetop