Crescent



本当は琴音ちゃんにではなく自分自身に言い聞かせていたのかもしれない。



もう傷つけたくないし傷つきたくはない。
だからこれ以上好きにならないように自分の心にブレーキをかけたつもりだった。



直ぐに後悔した。


琴音ちゃんは黙ってしまい……せっかく楽しそうにしていたのに彼女から笑顔が消えてしまった。




「また一緒に月を見ような」


「はい、また一緒に月を見たいんで誘って下さいね。
また電話しますね」

「じゃあ、また」



それでも別れ際にいつもの笑顔が見れてほっとした。



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