駆逐系男子【更新再開】

それなら、むしろ私が感謝すべきだよ。
ひとりで来ることにならなかったんだし……

私が戸惑っている間に立ち上がった彼はストラップのひとつを私の手の平に乗せる。


「じゃあ、こうしよう。君は黒猫のストラップを、僕は白猫のストラップを貰う。この猫は君だと思って大切にするよ」

「そ、れって……」

いわゆる、『お揃い』ですよね……
確かに吉良くんって、少し黒猫に似てるよね。

黒髪もすごく似合ってるし。


ひとつなら……貰おうかな。
ここで断ったら吉良くんの行為を踏みにじることになってしまうし。


「私も……大切に、するね」


まこちゃんとお出かけ出来なかったのは残念だけど、ほんの少し吉良くんに近付くことが出来た気がしてうれしかった。






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