世界の終りで愛を歌う
「ガソリンが高くて大変ですね」
と私が神谷に声をかけた。
「そうですね。俺のように遊びに使う分にはいい。
だが、通勤や漁業、運輸の場合、その重要さに応じて国は補助するべきだ。
酪農も、潰れる前に支援するべきだったのです」
また負けた。私の主張を先に言われた。
チクショー! 美形なんて美形なんて嫌いだー!
と思う卑屈な人間がいるせいで、美形で優秀な人間は出世が出来ない。
人間の嫉妬は恐ろしい。人間は本能的に戦っても勝てない相手を卑怯な手で潰そうと必死企んでいる。
いや、私がそうではないよ。たまたま神谷のような美形が面接に来た医者の中には、いなかっただけで。
「俺の顔に何かついてますか?」
彼はそう言って唇を白く長い指で擦った。
彼の顔にはなにも付いていないが、
肩には何かが付いていた。
いや、憑いていたと言い変えるべきか。
白い物だが、何か悪い霊かも知れない。
だが、それは彼が自分の肩を撫でるとフッと消えた。
光の加減で見えただけに過ぎない。
医師が非科学的な物を信じる分けにはいかない。
私は東洋医学の仏教を信じるが、幽霊は信じない。
仏教とキリス