世界の終りで愛を歌う

 小沢は父を尊敬しているとは言わない。

だが、父の教えを守るのは、

その証と言えるだろう。

小沢の父の他の教えは、

例え自分を悪く言われても、

決して他人の悪口を言うな。

という教えもある。これら二つを守る結果、

数々の誤解が生じた。
言い訳と悪口を返さない。

これは確かに良い教えだが、

本当に小沢の為になっているかは微妙である。


だが、天は知っている。

小沢の考えもその行動も。

徳川家康は常に天に恥ずかしくない行動をしなかったと伝えられている。


常に神様を意識して、
善行に勉めていたのだ。

そして天下を取れた。
その家康も決して罪が無いとは言えないが。

悪い事もしていた。

だが、小沢は内務調査をしている国の機関に聞いた所、


「小沢さんを叩いてもホコリは出ないよ。小沢さんは政治家で稀に見るクリーンな人だ」


そう言っていた。父の教えはここには生きていたのかも知れない。


天下を取れるかは微妙だが。

小沢は国民に誤解されている。

口下手で言い訳をせず、

他人の悪口も言わない。

これではまるで剣豪宮本武蔵である。

宮本武蔵の人生も誤解に満ちていた。

今では素晴らしい人物とされていたが、

存命中は世間に誤解され、

悪人とされていた。
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