魁の沙羅双樹
日頃の行い、とは
先程高杉に言われた
人斬りの事だろう。
けど、今後とは…?
桂の次の言葉に
彩華は自然と身構える。
「まあ、最近の行いについては
彩華くんもわかっていると思いますが
ハッキリ言って斬ることに度が過ぎていますよ」
「…人を斬るのが人斬りです」
「君が斬るのは、僕達の目的を阻む者でもなんでもない人達でしょう
関係のない人は斬るなと何回も言ったは「桂先輩には、わからないんですよ」
外で、大きく風の音が響く
桜の木が吹き荒れたんだろう
障子にはたくさんの花びらが貼り付く
それを背景に
彩華の口は大きく弧を描いた。
「人を斬るのは
花を咲かせる事となんら変わりはありません」
狂気に満ちた目
「深紅の血が
宙に飛ぶ瞬間が私は一番好きなんですよ」
妖艶な表情
桂は、息を飲んで
それに見とれる。
血に飢えている獣
今の彩華にはそんな言葉が
相応しいだろう。