初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「す、すみません……」
「なんで、謝るの?」
「えっと……すみません……」
「……」
微妙な空気が私と月島先輩の間に流れてる。
こんな格好で来てしまったこと。
やっぱり私みたいな地味な女じゃ、バンドのヴォーカルなんて勤まらないってこと。
とにかく全てに謝罪したい気分だ……
こんなセンスもない私を誘った事、先輩も後悔してるんじゃ……って思う。
「ま、いいや、時間ないから行くぞ」
月島先輩の声が冷たく聞こえる。
「……」
私は黙って、歩き出した月島先輩の後ろを着いて行く。
すると、
「おい、あれさ、秀海の月島じゃねぇ?」
「おーホントだ」
さっきの二人組が月島先輩の事を知ってるみたいで、またこっちを見てる。