初めての恋に溺れる人魚~my first love~

なのに……


「あれ……?」


早速、月島先輩の姿を見失ってしまう。


「う、そぉ……」


慌てて周囲を見回すけど、月島先輩の姿は見えない。足早に歩いていく人達の中、私はひとり、取り残されてしまっている。

どうしよう……

今から練習をすることになっているのに。

こんな形で迷惑をかけちゃうなんて―…

そう思ったとき、


「何やってんだよ」


月島先輩が何時の間にか目の前にいた。

良かった。月島先輩だ。

ホッとはしたけど、


「す、すみません……」


私はまた謝る。


「お前、謝ってばかりだな」


「すみません……」


“すみません”以外に何も言えない。

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