初めての恋に溺れる人魚~my first love~
ひとり真剣に考えていると、
「おい!」
と、また怒鳴るような月島先輩の声。
「はいっ!」
慌てて返事をすると、またもや目の前に月島先輩の姿はない。
でも声は確かに聞こえた。
どこ……??と、キョロキョロしていると、、
「左!」
という月島先輩の声。
「はっ、はいっ!」
ビクッとして左を向く私。
とても不機嫌な顔をして月島先輩を発見してしまう。
「乗るぞ」
「はい……っ!」
さっきから私、〝はい”しか言ってない。そして、乗り込んだのはタクシーだった。