初めての恋に溺れる人魚~my first love~
「えっ……ち、違います!あれはただ、海を眺めていただけで決して身投げなんて……」
慌てて否定しようと、あたふたと口を開く私。
そんな私を見て、
「ふっ……」
さっきまで表情一つ崩さなかった彼が噴出すように笑った。
「嘘、冗談……知ってるって」
笑いをこらえるように言う彼。
も、もしかして私、からかわれてるの??
カァーッと自分の顔が赤くなっていくのを感じる。
「何?知り合いー?」
そんな私たちのやり取りを見て、明るい茶髪のシュウってヒトが尋ねてくる。
「いやー知り合いっていうか―…ちょっとな」
彼は、笑いの余韻を残しながらそう答える。
確かに〝知り合い”って言えるほどの関係じゃない。
「なんだソレー」
不思議そうな顔をするシュウー…さん。でも直ぐに、
「ま、いいや~響、俺も腹減ったから、早く学校でてマックでも寄ろうぜ」
そう言うと、シュウさんとミツ―…ミツヒロさんってヒトは、さっさと靴箱の方に歩いて行った。