初めての恋に溺れる人魚~my first love~
すると昨日の彼、ヒビキ―…さんも、
「あー…」
と二人の後に。
ヒビキさん、行っちゃう……
お礼、言わないと……!
「あの……っ!」
と精一杯の声を出す。
そんな私の声にヒビキさんもピタッと足を止めてくれた。
私を見てくれる、ヒビキさん―…
「た、助けてくれて……ありがとう…ございました!」
どもりながらも、懸命に声を出してお礼の言葉を伝える。
すると、
「あんたの唄、耳に残るね」
「-…っ」
〝唄”
彼の口から出た言葉。それだけ言うと、
「じゃ」
と行ってしまう。
しかも、少しだけど微笑んで言ってくれた。