初めての恋に溺れる人魚~my first love~
さっきの取り巻きの人や、いーちゃんが言う、
〝月島先輩”
どこかで聞き覚えがある。
ヒビキさんは月島先輩で―…
月島……月島……
〝月島先輩見ちゃった~!”
〝月島先輩だったら一回だけでもいいな”
あっ……!
と思う。
小谷さん達が騒いでたイケてるっていう先輩の名前だ!
何度も聞いたのに今気付くなんて、本当に私ってニブイ。
そんな自分に自己嫌悪を抱いてしまう。
「海音、どうかしたの?だいじょうぶ??」
一人で思い出してハッとしたり、落ち込んだりする私に、いーちゃんが眉間に皺を寄せて声をかける。
「そういえば、クラスの女子が月島先輩がどうのって騒いでたな……って思い出して」
「へぇ、やっぱり海音のクラスの女子も騒いでるんだぁ」
「うん……」
「そうだよね~普通あれだけカッコいい先輩がトリオで揃ってたら、興味示さないほうがおかしいもん!」
ねぇ?海音、と、いーちゃんはそんな事に無知な私を見る。