初めての恋に溺れる人魚~my first love~
だって、自分でもバカみたいな事を試してるって思って、いーちゃんにも言えない。
喉元まで出かけてたといえば、そうだけど、非現実的過ぎて飲み込んじゃう。
唯一の友達のいーちゃんだけど、言い出せなかった―…
「そんなこと言われたの?あの月島先輩に!?」
耳に残って離れない、彼の言葉をいーちゃんに言うと凄く驚いた顔になる。
あの月島先輩が?本当に?って何度も確認される。
「でもね、特別な意味で言ったわけじゃないのは確かだよ。あんなトコで唄ってるヒトがいたら、やっぱりインパクト強いだろうし……というか私の行動があやしすぎなんだけど……」
「ま~確かに、制服姿で海上の岩に座って唄ってる女子高生がいたら、何事かとは思うよね」
「だ、だよね」
「でも、褒められたって事でしょ?月島先輩がそんな風に言ってくれるなんて信じられないことだよ!」
「そうなんだ……」
「そうなんですっ」
やけに、いーちゃん、”月島先輩”のことに詳しい。
というか私が知らなさ過ぎるだけなんだろうけど―…
と、そこまで思うと、
ん??
今の会話で疑問符が現れる。