初めての恋に溺れる人魚~my first love~

だって、自分でもバカみたいな事を試してるって思って、いーちゃんにも言えない。

喉元まで出かけてたといえば、そうだけど、非現実的過ぎて飲み込んじゃう。

唯一の友達のいーちゃんだけど、言い出せなかった―…


「そんなこと言われたの?あの月島先輩に!?」


耳に残って離れない、彼の言葉をいーちゃんに言うと凄く驚いた顔になる。

あの月島先輩が?本当に?って何度も確認される。


「でもね、特別な意味で言ったわけじゃないのは確かだよ。あんなトコで唄ってるヒトがいたら、やっぱりインパクト強いだろうし……というか私の行動があやしすぎなんだけど……」

「ま~確かに、制服姿で海上の岩に座って唄ってる女子高生がいたら、何事かとは思うよね」


「だ、だよね」


「でも、褒められたって事でしょ?月島先輩がそんな風に言ってくれるなんて信じられないことだよ!」


「そうなんだ……」


「そうなんですっ」


やけに、いーちゃん、”月島先輩”のことに詳しい。

というか私が知らなさ過ぎるだけなんだろうけど―…

と、そこまで思うと、

ん??

今の会話で疑問符が現れる。


< 82 / 421 >

この作品をシェア

pagetop