かくれんぼウォーズ!


こんなことなら昨日接近した時に無理やりにでもお面をはぎ取っておくべきだった。そう後悔したけれどもう遅い。

「でも私、柚木くんが顔見せてくれるまで毎日来るよ」

「あまり拙者に関わってくれるな」

「だって昨日のお礼、ちゃんと言えてないし」

ガサッと中庭の木が揺れた気がして、揺れた辺りから声が降ってくる。

「……礼は無用だ。やはり敵など助けるものではないな」


柚木くんの容姿についてみんなの証言を集めてみたけれど、わかったのは、取り立ててかっこいいわけでもブサイクでもないということだけ。
夢が壊れたようなそもそも夢なんて抱いていないような、微妙な気持ちになってしまう。

「ねぇ、もうすぐ授業だよ。まだ出てきてくれないの?」

授業に遅れそうになったら、姿を現してくれるかもしれない。
そう思って私は、昨日と同じ昼休みの時間帯を選んで柚木くんに会いに来ていた。

今のところ、顔どころか指一本見ることは出来ていない。


「貴様が教室に戻るのが先だ。始業時間の隙を突くなど姑息な手には乗らぬ」

「う゛」

やっぱり私の手の内はばれていた。余計心証が悪くなってしまったかもしれない。

< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

それはたった一瞬の、
結永/著

総文字数/60,357

ファンタジー228ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「お迎えにあがりました」 そう言われて連れてこられたのは 夢の都「朱天楼」。 美しい街並みの中、 灰色の空だけがとても哀しくて。 青い空を見せたいと思った。 この、優しい人たちに。 それはたった一瞬の、 夢のような出来事でした。 ファンタジー時々恋愛、時々SFでお送りします。 東雲 葵さま 天栞さま 沖田 円さま いいよさま 素敵なレビューありがとうございました! ファンタジー小説大賞にエントリー中…
釘バットと秘密のラブコール
結永/著

総文字数/5,848

恋愛(ラブコメ)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
女の子はみんな ふわふわして甘い香りがして 笑顔がかわいくって そんな存在じゃなきゃ いけないんだ。 「女子ほど汚ねぇ生き物はねぇよ」 そんなの、俺は認めねぇ!! 天栞ちゃん 素敵なラブレターありがとうございました!!
少年少女は夢を見る
結永/著

総文字数/19,187

青春・友情72ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「青春」なんて そんな綺麗なもの どこにあっただろう 私たちの間にあったのは 青灰色の淀んだ空と 同じ色に歪んだ願望 それだけだった aNさま いいよさま 沖田 円さま 素敵なレビューありがとうございました

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop