自由奔放な恋愛達

槙ちゃん達には先生から説明がされたらしい。

入院の部屋は親の計らいで、個室にしてくれた。


もう泣く事しかできなかった。


「愛。ごめんな」

謝られてよけい悲しくなった。

槙ちゃんが悪いわけじゃない。
誰も悪くない。


「愛、また次頑張ろう?」

「次なんて期待できないよっ!!」

「今回産まれてこれなかったけど、結婚していつかまた産まれてきてくれる事を望もう?」

「結婚なんかできない...」

「どうして...?」

「あたしはきっと子供が産めないんだ...。
槙ちゃん、こんなのと結婚したら一生子供ができないかもよ...」

「...俺は子供だけが全てじゃないと思うよ。
確かに今回は悲しかったけど、焦らなくても、
ゆっくり病院へ通いながら、様子をみて行こうよ」

「考えさせて...」


お母さんが入ってくる。


「大丈夫か...でも身体大事にせな次産めなくなってまうで」

「でも...もうあたしは産めんのかもしれん...」

「諦めたらあかんよ。不妊治療でも何でもしてみよう?」

「今は考えたくない...ほうっておいて」


ママとパパが入ってくる。


「ごめんなさい...ちゃんと産めなくて...」

「謝る事ないのよ...」

「愛ちゃん、自分を責めちゃダメだよ」

みんながいろいろな言葉をかけてくれる。

でもどの温かい言葉も、今のあたしには痛い...

苦しい...

誰の期待にも答えられない...

あたしには誰の期待にも応える事もできないの??


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