自由奔放な恋愛達
翔ちゃんが仕事から帰ってきた。
とりあえず、ご飯とお風呂を済ませてしまう。
二人で部屋に入るなり。
「何、話って」
こいつはバカなのだろうか。
それとも鈍感なだけだろうか。
「何って、最近の翔ちゃんの話」
「それが何?」
やっぱりこいつはバカなのだろう。
「最近は帰ってくるのも遅い。朝、着替えにだけ帰ってくる事も多い。
いつか浮気をやめて戻ってきてくれるんじゃないかと、思ってた。
でもちっとも変わってはくれなかった。浮気やめてくれない?」
自分でも愚かな質問だと思う。
やめてくれない?でやめてくれたらこんな事にはなっていないのだから。
「彼女と別れる気はないよ」
「じゃあ、あたし実家に帰る」
その夜は、悲しくて、辛くて、悔しくて、寂しくて泣いたまま朝になってしまった。
しばらく考えて、パパとママに
「実家に帰ろうと思います。ごめんなさい」
「謝らないで、愛ちゃんは悪くない。
俺も何度かあいつに話をしたんだが貸す耳なくてね。
申し訳ないことをした」
本当に温かい家族だ。
12月になる少し前にあたしは実家に戻った。