自由奔放な恋愛達

槙ちゃんの家に行くとママが起きてきた。

「起こしてしまってすいません」

「いいのよ、おやすみなさい」

槙ちゃんが急に家を出て行ったから心配していたのだろう。
槙ちゃんの家のパパもママも妹の華ちゃんも、
お姉さんの結さんもみんな仲良くしてくれる。

槙ちゃんの部屋に入る。
槙ちゃんの部屋はキッチンのすぐ隣だ。
この間なんか、槙ちゃんの友達の大ちゃん(大介)達と遊んでたら
急に襖が開いて、「ほら、晩御飯」
って焼肉定食が出てきた。
まだあんまりお肉もお米も食べないのだと言ってなかったので
少し食べて、残りを槙ちゃんにあげた。笑
ごめんなさい、ママ。(><)

部屋に入って二人で隣どうしにコタツに入る。

「今日は迎えに来てくれてありがとうね」

「愛が困ってたらいつでも行くよ。仕事中は無理だけどね」

お互いくっついてちゅーをしてたら、そんな雰囲気になってきてしまった。

「愛、怖い?怖いならやめとくよ」

「怖くないよ。でも乱暴にしないで」

「乱暴になんかしないよ。大事にする」

「こっちにおいで」

確かに槙ちゃんは優しくしてくれた。
その事が逆に涙が出てしまって、

「怖い?大丈夫?やめようか?」

「ううん。優しくて安心して泣けてきちゃった」

槙ちゃんはぎゅうっと強く抱きしめてくれた。
終わってから槙ちゃんが

「ありがとうね」
って言う。

「どうして?」

「俺を信じて身体預けてくれて。だからありがとうなの」

「愛こそ、ありがとう。優しくしてくれたのもそうだけど、
今までずっと我慢してきてくれて」

槙ちゃんは本当に優しかった。
ちゅーすらしばらくしないでいてくれたのだ。

だんだん自分の心が楽になっていくのを感じた。
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