タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
オルマさんが指さす方向を見ると、大きなお城がそびえ建っている。


「ひょっとしてあれが?」


「間違いございません。マスコール王国城でございますよ」


そうか、やっぱり。結果的に目的地に到着はできたわけだ。


その代償は、かなり大きかったけど。


「・・・それで、オレたちはこれからどうすりゃいいんだ?」


ブランの言葉に、みんな黙り込んでしまった。


探索隊は、ほぼ壊滅。なんとか四人の命だけは助かったけど。


はっきり言ってこの悲惨な遭難状態じゃ、秘宝探索どころじゃないし。


どうすればいいんだろうか。


「あのお城へ行ってみましょう」


オルマさんがそう提案した。


「とにかく、ここに居ても始まりません。生きて帰るための手段を探さなければ」


スエルツ王子がそれに同意する。


「そうだね。海の近くの城だし、きっと船もあるはずだよ」


「じゃあ日が落ちる前に行くぞ。ミアン、立てるか?」


「うん。大丈夫」


あたしたちは立ち上がり、城へ向かってゾロゾロと歩き出した。


空を見上げると、すでに日が傾き始めている。夜になる前に着かないと。


ダルくて重い体を叱咤しつつ、できるだけ急ぎ足で進んだ。

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