タヌキな騎士と選ばれし花嫁の・・・「愛は世界を救うんです!」
人間の結婚式をソックリ再現? これが?


そう言われてあたしは、じぃーっとタヌキたちを観察した。


ひょっとして、この不気味なグニャグニャとガクガクって・・・・・・


あぁ! お祝いのダンスかぁーー!


なにかの発作かとも思ったけど、これで踊ってるつもりなんだわ! このタヌキたちって!


そうして見ると、全員一丸となって一心不乱にグニャグニャしている。


一生懸命に頑張って、式を盛り上げようとしてくれているんだ。


この花嫁衣装も、ヴェールも、ブーケも、みんな協力して・・・。


小さな体で、あたしのために精一杯に努力している姿を見たら、また胸がズキリと痛んだ。


ご、ごめんねみんな。でも、あたしにも事情があるのよ・・・。


おタヌキ王が、手足をグニャグニャさせながらこっちに近づいてきた。


「どうであるか? 白騎士、ミアン」


「おタヌキ王様、ミアンはとても喜んでいるようです」


「おお! それは良かったのである!」


おタヌキ王が笑い、ほかのタヌキたちもきゃあきゃあと喜んでいる。


白タヌキ少年が笑顔で話しかけてきた。


「これでミアンはオレの嫁だ。タヌキは一度結婚したら、一生その相手を守り続ける」


あたしの手に、少年の手が重ねられた。

・・・その手はとても温かくて、大きくて・・・。


「これからはずっと一緒だ。よろしくな、ミアン」


ずっと、一緒? 一生あたしと一緒?

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