ガーデンテラス703号


シホは店から出て歩いているときも、好奇心を抑えきれないといった目で私を見てきていた。

それでも、何とか家に帰るまではと堪えていたみたいで。

玄関に入った瞬間、一気に質問攻めにされた。


森岡さんに誘われてホタルの店に行ったことや、そのあと彼と歩いていたらホタルから電話がかかってきて家に帰るように告げられたこと。

さっきは、別の女の人を連れていた森岡さんに怒ってくれたこと。

ホタルにキスされたことや、一度ソファーに押し倒されたことは伏せて最近のできごとを話したら、テンションの上がったシホに絶叫された。


「えー!そんなこと、どうして今まで隠してたのよ」

「だ、だって。別に話すほどのことじゃ……」

「話すほどのことだよ。だって、あのホタルが『軽い気持ちで俺のあゆかに手ェ出すな』って言ったんでしょ」

「いや、そこまでは言ってないよ」

「同じようなもんだって。だって、話聞く限りでは絶対にホタルはあゆかに惚れてるじゃん」

シホがニヤリと笑うから、つい勘違いしそうになってしまったけど……



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