ガーデンテラス703号


でも、今朝のホタルの態度で、途端にシホの言葉が信じられなくなった。


昨日、あんなできごとがあったばかりなのに、ホタルの態度は普通すぎる。

私はホタルの顔を見た瞬間、どうしようもないくらい動揺してしまったのに、彼のほうは何も思っていないみたいだった。

もしシホが言ったとおり、ホタルが私に好意を抱いてくれていたとしたなら、あんなに平静な態度はとらないと思う。

私は少し項垂れながら、とぼとぼと駅までの道を歩いた。

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