ガーデンテラス703号


「あ、すいません」

上から睨んでくる男に断りをいれて、電話に出る。


「もしもし、あゆか?シホだけど。もううち着いてる?」

受話器に耳をあてると、シホの大きな声がガンガンと耳に響いてきた。


「今着いたとこだけど……シホどこにいるの?」

「今?外だよ。もうすぐ帰るし、テキトーにくつろいでて。じゃぁ、あとで――……」
「あぁぁ……シホ!ちょっと待って!!」


電話を切ろうとするシホを慌てて呼び止める。


「へ、部屋に知らない男の人がいるんだけど……」

「え?男?」

受話器の向こうから返ってきたのは、怪訝そうなシホの声。


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