ガーデンテラス703号
「ごめん、私行くね」
遥斗に小さく頭をさげてレジに向かって歩き出すと、彼も私のあとからついてきた。
「俺ももう行くとこ」
私ににこりと笑いかけた遥斗が、既に購入済みのコンビニの買い物袋を持ち上げる。
その袋からは、お弁当とお茶のペットボトルが透けて見えていた。
「そう、なんだ……」
私のあとをついてくる遥斗に戸惑いながら、レジで会計を済ませる。
缶ビールとソフトドリンクで重たくなった買い物袋を抱えてコンビニの外に出ると、いつの間にか隣に並んだ遥斗がそれをひょいと私から取り上げた。
驚いて遥斗を見上げると、彼が私を見下ろしてほんの少し首を右に傾ける。
「あゆか、家この辺?俺んち、あっちのほう。ここから歩いて15分くらいなんだけど、方向同じなら途中まで持ってやるよ」
遥斗がそう言って指差したのは、私の住むマンションと同じ方角だった。
「方向は同じだけど、住んでるとこまでほんとにすぐだから。荷物、自分で持つよ。悪いし」