㈱恋人屋 ONCE!
「…。」
私はかつてないほど真剣に考えた。この問題は、思ったより深刻だ。
ほんの些細な事故が、二人の資格を剥奪してしまったなんて…。
どうにかしてあげたい。
話を聞いた人間として、どうにかしないといけない。
その方法は…どちらかにジャッジを下す、それ以外に方法が思い浮かばなかった。
悩んだ末、私の答えが決まった。
「私は…。」
固唾を飲んで私を見守る二人。冷酷かもしれないけど、私は、言わないと。
「悪いのは…雨明さんだと思います。」
「!」
二人の表情が一変する。
「私の個人的な見解ですけど、足につまずいても、身体能力があれば転ばずに済んだんじゃないかなって…。あ、別に雨明さんを責めるつもりはないんです。ただ…。」
これしか思い浮かばない、とは、言いわけになりそうで言えなかった。
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