姫の笑顔

「団長。冗談は止して下さい。腕なら団長が一番上です。」とユウキさんは言った。…声、キレイなテノールだな。疑問な事を聞いてみた

「団長って…?」そう言うと

「あ、説明して無かった。俺は近衛騎士団長なんだ。…学生もしてるから二足のわらじだけどな。」と簡単に説明してくれた。

納得。二人の着ている制服、さっきチラッとみた近衛騎士と同じ制服で黒地に金のライン。…腕の部分にあるラインはユウキさんが2本線。アレス様が4本線。…ってことは3本線は副団長?…考えていると、アレス様が

「ミリヤ?」と声をかけて、

「はい。アレス様。」と言うと

「う~ん。〝アレス様〟じゃなくて別の呼び方が良いんだけど…」と言うとわたしはさっきユウキさんが言っていた。

「〝団長〟?」と言うと

「違う。ミリヤは騎士に入って無いし、もっと別の呼び方。」と拗ねてしまった…コロコロ表情が変わるな…じゃあこれかな?

「お兄さま…?」ニコッってお兄さまは笑いまたがしがしと頭を撫でた。

「これからそう呼ぶこと。」そう言うとノックが聞こえお兄さまが堅い声で

「入れ」と言うと近衛騎士の制服を着た人がお兄さまの耳元でなにかを話され、お兄さまが頷くと

「仕事が入ったから、ユウキ、お前も来い」と言い颯爽と歩いて言った。
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