姫の笑顔

「一刻の猶予も与えない。これを警察に出してくる。…ミリヤ、ユウキ。俺に付いてこい。」椅子から立ち上がりお兄さまは言う。…お兄さまの纏う空気が〝妹を大切に思う兄〟から〝近衛騎士団長〟の空気になっていた。



ー夜ー

警察にUSBメモリを出し、そしてわたしの証言からその体育教師と数人の女子はラスティ国から出され、2度とラスティの地に踏めない事になった。…お兄さまは『軽すぎる!』と言っていたが、なんとか抑えて貰った。

……ーまぁ、抑えて貰う代わりに『ミリヤのピアノを聞きたい!!』って言われて今ピアノ部屋に居るんだけど(あの後、ここは完全防音になったってユウキに聞いた。)

今弾いているのは悲恋系の曲になる。

最初わたしはこれを聞いて直ぐに好きな曲になった。

これのPVで余命僅かな彼女役の人が彼氏の人にこの曲で『ずっと大好き』と言う意味を込めデモテープを渡し、『誕生日になったらこれを聞いて?』と残しこの世を去る。

彼氏は彼女の言葉の通りデモテープを聞いて彼女の遺した意味を知り、声を押し殺して彼女を想い一人ずっと泣いてる。…そんな曲。

< 79 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop