【完】君と、前へ。









「奈津…、そんなこと…分かってるよ…



分かってるけど……っ」







「海斗…、私たちは思い出にすがってばっかじゃ、ダメなんだよ…」








嘘。






「思い出に甘えちゃ、ダメ…」






私の、嘘ツキ。








思い出に浸り続けているのは、私のほう。





ふとした瞬間




私を呼ぶ君の声が聞こえるの




そんな声、ないはずなのに






思い出がそうさせる









そばにいたい…





あなたに甘えたい…





私のこと…忘れないで……







そう私の心の叫びはあなたを求めている









だけど…だけれど、









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