あなたには聞こえますか…………
「断りたいところですが、どうせあなた

は調べて行くでしょうしね。

花梨一人でこんな話を聞かされるよりか

は、私も一緒にいた方がいい。


分かりました。

1週間後に会いましょうか。

花梨にも心の準備が必要ですから。

あなたに心無き言葉を言われても、

笑ってれるようにね。


ただ、1つ条件を飲んでもらえるならで

すけどもね」




「条件とは?」



「花梨には、その研究の事を知ってるか

どうかを聞くだけにしてもらいたい。

あなたが一番聞きたいのはそこでしょ

う?

誰にでも思い出したく過去はあるでしょ

う? あなたにも、私にもね」




「ええ。まあそうですが」



「家族について詳しく質問するんは、ま

た悲しい事を思い出させるだけになるん

で、控えてもらいたい。

それが出来ないなら、部屋から出さずに

会わすことはないです」



「なるほどね。まぁなんとなく亀城さん

が引き取った心も分かりましたしね。

じゃあ、その条件で。

余計な話はしないようにしときますよ」




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