キスキすき







なんとあたしは、体育の後からずっと保健室で寝ていたらしく



外からは部活動生の掛け声が聞こえてきて


テニス部だってもう部活が始まっている



だけどルリ子ちゃんは、あたしが教室に荷物を取りに行くまでついて来てくれた





「麻美、ひとりで帰れる?」



「もう、大丈夫だよ!心配しすぎ!」



「本当に?ならよかった」



「うん、ルリ子ちゃんはほら、早く部活に行って?」



「そうだね、気をつけて帰ってよ!」



「うん、ありがとう」




そうやって、ルリ子ちゃんはまだ心配そうに



最後にもう一度振り返って手を振ってから



走って、行ってしまうのを見送って



私も鞄を手に取り、教室を出た



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