キスする顔さえ美しい
ふたりの関係が熱いものなのか、冷たいものなのか。
そこに愛しさとか罪悪感はあるのかないのか。
そんな事、ただの部下で後輩の私が知る由も無い。
ただ私は、皆に誠実と思われてる戸田課長が背徳にまみれ美しい獣になった瞬間を見ただけ。
その淫靡な彼の姿に、心震わせただけ。
「小山さん、これコピー頼む」
オフィスで見る戸田課長は相変わらず端正な顔立ちに真面目な雰囲気を滲ませている。
けれど私は知っている。貴方が不実な男だという事を。
奥さんを裏切り、不倫相手にさえ身勝手な性交をして。
なのに。