いつか、また

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彼女達が出会ったのは、清々しいほどの青空が広がるとある夏の日だった。


花奈(かな)はその日、学校付近にある「cafeteria cherry blossm」で復習をしていた。


「お客様、ご注文は如何致しますか?」


「いつもの……<香水>付きで」


「畏まりました」


ウェイターは言うと厨房へと向かう。ひとりになった花奈は再び復習を始めた。


今日は午前で学校が終わり、このcafeteriaにもまばらであるが人がいる。


「……今日はこの辺にしようかなぁ・・・」


キリのいいところで切り上げ、鞄に教科書類を仕舞う。すると赤のボールペンが床に転がってしまった。


「あっ……」


「・・・はい」


急いで転がった先に向かうと誰かが拾ってくれた。


「あ、ありがとう・・・」


ございます、そう続けようと顔を上げるが誰もいない。


「あ、あれ?」


確かに拾って貰ったのだが花奈が見たのはいつも通りの光景だった。


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